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Derideri

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新約14巻



遅くなってしまい申し訳ありません!
やっとこさ新約14巻の感想をまとめました!

いつもと少し雰囲気が違い女性キャラは無しで男2人が黒背景で表紙を飾る殺伐とした今回、以下ネタバレとなりますのでよろしくお願い致します。

それでは、理想送り上里翔流が行動を始めた今回のあらすじをガサッとまとめていきます。
なお、少しややこしいのでレイヴィニア=バードウェイをバードウェイ、パトリシア=バードウェイをパトリシアと呼んでいきます。


①前回のうほほいじじい僧正の爪痕で窓が割れ冷たい風が吹きすさぶ上条家にやってきたネフテュス

②理想送り上里の登場によりネフテュスだけでなくオティヌスも窮地に立たされる危険があると知らされ何の思案もなく2人を守る為に戦うことを決める(もはや決める以前の問題であり「異常者」呼ばわりされていましたが)

③脳幹先生と唯一の心暖まる食事シーン。そして上条さんも寒すぎる冷蔵庫の中身をどうにかするため買い出しに。

④理解者オティヌスとの善悪論に笑顔を見せ、北欧お食事トークをしながら買い出しをしているところに理想送り・上里翔流が出現。2人が激突する。

⑤しかし2人の激突は乱入して来た別の敵により中断に。
新たな乱入者は「赤と黒」。赤は暗黒大陸由来の魔術であり、黒は正体不明だが魔術と科学が食い合っている可能性があるとのこと。

⑥上里の身を案じて元居た場所に引き返すと、「赤の本体」としてレイヴィニア=バードウェイを発見する。

⑦一方上里の方でも「黒」の解析が行われる。そして中からはパトリシア=バードウェイが。

⑧インデックスと魔神2人によりバードウェイが纏っていた「赤」の魔術が解析される。曰く、バードウェイの専門である西洋魔術に加えアフリカの伝承も使用したモノであり、バードウェイが専門外の伝承に頼らなければならないほどの事態が予測されるとのこと。

⑨パトリシアも目を覚まし「黒」について語る。曰く、南極調査活動中に発見した新種の寄生生命体「サンプル=ショゴス」であるとのこと。そしてその寄生生命体からパトリシアを救う為にバードウェイは「赤」の魔術に命をかけているとのこと。

⑩バードウェイのパトリシアを救う算段は、「カニバリゼーション」を使用し、自分の中で育てた臓器を妹に食べさせるというものだった。

⑪上里の方では、エレンに加え、エルザ、クレアが合流。彼女達はもはや何人居るかも分からない「上里勢力」に所属する少女達。

⑫そして唐突に始まるお風呂タイム。ジャパニーズ銭湯に向かい、女の子としての身だしなみを整え始める一同。

⑬そして次は唐突に始まるご飯タイム。一悶着の末スーパーで食材を買いに行くことに。そしてそんな一同と行動を共にして行くうちにパトリシアもだんだんと輪の中に入って行く。

⑭肝心のご飯の行く末はというと、エレンによってぶち込まれた隠し味によって大惨事に。(そこをやたらとおせっかいでやたらと小柄な女教師が救ってくれたとのこと)結局晩ご飯はパトリシアの提案でラーメンを食べに行くことに。

⑮この上里一行との行動の中で違和感に気づき始めるパトリシア。そして気づいたのは女の子達に囲まれて楽しそうにしている筈の上里の笑顔がどうしてか、苦痛に歪んでいるように見えるということだった。

⑯遂に何の行動も起こさないままお休みモードに入ってしまった上里一行。しかし行動を共にして彼らが悪人ではないと感じたパトリシアは1人抜け出す。善意を向けてくれた彼らから離れる理由は「信用出来ないから」であった。

⑰夜の町でバードウェイを探し一人さまようパトリシア。しかし見つからず、どんどんと思考が被害者の枠に甘んじて行く中、そこに上里翔流がかけつける。

パトリシアを救う為にはバードウェイが死にバードウェイを救うとパトリシアが死ぬという図式の中で「理想送り」での救済を提案する上里。

「あなたの救いなんか私はいらない。安易な逃げ道なんか必要ない。新天地なんて真っ平だ!」

⑳その言葉を聞き取って笑いかける。
「僕は君を尊敬する。だから尊敬する人の為に出し惜しみはナシだ。僕の持っているすべてを使って、君の為に世界と戦おう」

(21)食材を求め上条さんが土御門の部屋を訪ねるが、そこに土御門は居らずかわりに上里が。
再び上条と上里が衝突することとなる。

(22)上里の語りによると彼が「理想送り」を手にしたのは11月の初め辺りであり、魔神を狩ったのは初陣のようなものであった。さらに、本当につい最近までどこにでもいる平凡な存在であったはずなのにいきなり強大な力を押し付けられてしまったのは上里だけでなく巻き込まれるように周りの環境、周りの人たちもであった。

(23)ただの高校生に過ぎない筈なのに”救った”ことで、周りの人の思考を変えてしまう。そして自分には”救う”力が植え付けられてしまった。そのことに怒りを燃やす上里に対してしかし上条は「どうしてお前の周りにいる女の子達がお前のことを尊敬しちゃいけないんだ」と投げかける。

(24)魔神から急に与えられた力によって出来た人間関係に疑心暗鬼になり怯えておきながら、「だけど、それで目の前の誰かを見捨てられるかどうかは話が違う」と言う上里に上条は
「やっぱりアイツはみんなに好かれるヒーロなんじゃないか」

(25)そして上里との再戦へ。
パトリシアの意見を尊重し、命以外は奪われるが彼女の願いが叶う選択肢を選んだ上里。そんな上里に対し反論をする上条。

(26)激突の中でパトリシアが助かるもう1つの道としてクレアの体質が提示される。その方法でパトリシアの救出を試みることとなるがサンプル=ショゴスが暴走。クレア・パトリシア共危険な状態に

(27)そこに現れたのはエジプト神話の女神・ネフテュス。
強いて答えるなら、神様かしらね。
ネフテュスによってパトリシアは一命を取り留める。

(28)そして理想送りと幻想殺しの最終決戦

(29)幻想殺しとの対決を終え、その奥にある力についての言及を行っていた上里の元へ、一匹のゴールデンレトリバーが現れる。

(30)一連の事件すべての黒幕である学園都市上層部との決戦。

(31)血だまりの中にしずむ木原脳幹。彼を半永久的にコールドスリープの中に送り込む木原唯一。
科学サイドでも魔術サイドでも幻想殺しでも理想送りでもないもう1つの枠組みが産声を上げようとする。
「それがロマンってものだ。そうですよね、先生?」

(32)なげいて、なきさけんで、うちのめされて、ぜつぼうしても。
きょうもアレイスター=クロウリーはかみさまのるーるとたたかっていくのです。

以上で今回の新約14巻のおおまかなあらすじとさせていただきます!

 今回は前巻で登場した「理想送り」上里翔流がメインとなる話でした。
初登場の時点で波紋を呼び今回の活躍に期待を寄せられていた彼ですが、上条さんに対する新たなアンチテーゼとしての役割を担いながらも彼個人としての魅力もしっかり出せていたのではないのでしょうか。

 正直表紙をめくっていきなり「上里勢力」なる女の子達がズラッと並んでいた時はどうなることかと思いましたが、ただのお気楽ハーレムではなくアンチ的な意味を持ったちゃんとした存在理由がある集団だったため逆に感心することとなりました。

 14巻の総評としては私はこの巻はとても楽しんで読むことが出来たのでかなり高い評価が出来る巻でした。問題点は序盤から中盤の上里勢力の日常描写が少々読みづらかったところでしょうか。これは今巻に限らないんですが、最近のかまちーの日常ギャグが下ネタとやたらとハイなテンションでゴリ押しというのが目立つので旧約12巻のようなもう少しほんわかした描写が読みたいです。
 ただ、今回は人間関係が歪というギミックを含んでいるのでコレでも良いのかもしれませんが。欲を言うと歪にした上で読みやすいものにしてくれたら最高なので。

 終盤の上条さんと上里くんの主張のぶつけ合いもなかなか読み応えがありました。この巻の始めに「善悪論」が持ち出されており簡単に二元化されないと先に釘が刺されていますが、その通り今回ぶつけ合っているこの2人の主張はどちらが正しいか決着をつけることは出来ないので、話し始めてもどうしようもないところがありますね。

 結果論として上条さんの案が優先されましたがこの案も全く完璧ではなかったですし。

 そしてなんといっても一番テンションが上がったのはやはりラストにかけての畳み掛けるような展開です。

 もともと私は脳幹先生が大好きだったので読んだ時ものすごいショックだったのですが、でもとってもかっこ良かった…!脳幹戦と唯一ちゃんの子弟としての絆を確認すると同時に今後の彼女の動向に期待せざるを得なくなりました。

 そしてアレイスターは一体今後どうなるのか????
個人的には凄く好きなキャラなので本当に頑張って欲しいところです…!

そんな思いを抱えながら以下、それぞれのキャラクターに付いて細かく書いて行きます。





 
●まずは今回の主役「理想送り」上里翔流

 やはり今回のメインは彼でしょう!ということで。
14巻が発売される前の情報では「魔神を完璧に消し去る、幻想殺しと対の力」「どこにでもいる。といった典型的ラノベ主人公」などの一風変わったキャラクター像をしておりどうなるか大変気になるキャラでした。
 
 一番気がかりだったのは「主人公と対の能力」と「メタ的な人物像」でキャラとしての魅力がしっかりと出せるのかというところでしたが、メタ的な役割をしっかりこなしながら彼個人の主張もしっかりとしてきてくれてちゃんと作中で生きてる魅力的なキャラに成れたんじゃないかなと思います。

 そもそも最近の禁書は9巻などが極端ですが上条当麻という存在に対してあらゆる方面で反論をぶつけて揺るがそうとしている傾向があるので、そんな傾向がキャラとして極端に現れた例だと思います。(作中で幻想殺しが不完全だったため産まれた。という前提のキャラなので当たり前なのですが)
 
 今回で彼は上条さんと同じような能力を持った上で上条さんの前で、自分の存在意義の否定。自分を取り囲む人間関係の否定をやってみせました。

 そして上条さんに対して反論をするだけの存在ではなくそこにはしっかりと彼なりの力への恐怖、人間関係への恐怖と苦悩などがありかなり納得出来る主張となっておりました。
 
 いきなり理想殺しなんて能力を持ってしまったのもですが、周りの人間も一気に様変わりしてしまったのも辛いですね。というより作中の描写だけだと分かりづらいのですがクレアたちは元から「原石」でそれが上里くんの日常に現れて来たのか、それとももともとは平凡だった女の子が上里くんにあわせてある日突然「原石」になったのでしょうか?
 後者だとかなりキツいものがありますが…

 ただ上条さんの言った通り周りの女の子達の感情を、傷つかないですむように先に一方的に決めつけている。といった逃げの面もあるのも事実です。

 ある日突然大きな力を手にしてしまい、その力ありきで出来た人間関係が信用出来ない。むしろ自分に好意を向けさせてしまったということに怒りすら覚えるというなんとも入り組んでしまった行動原理をしています。しかし、救うことでできる人間関係に憤るくせに人を見捨てることは出来ないという一面も確かに持っていました。
 
 「矛盾を抱える人間を消し去る」と言った能力の理想送りの持ち主が、一番矛盾に苦しんでいるというなんとも面白い図となっています。

 ずっと己の存在を否定しながら、けれど信念が揺らぐということだけは最後までなく。
 最後までパトリシアのために戦い、そして上条さんと決着をつけるため激突に挑みました。

 様々な意見で上条さんと対立した彼ですが目下の一番具体的な例として今回はバードウェイ姉妹を巡っています。今回のバードウェイ姉妹の顛末もどちらも譲ろうとせず、相手のために自分を捨てると言ったかなり答えのない衝突であり、パトリシアの意見を尊重した上里くんが正しいのか、両方の意見を聞かず両方を救おうとした上条さんが正しいのかは判断しかねますね…

 そして上条さんとの決着がどうなったのかは明記されませんでしたが(決着のついて欲しい争いではなかったので良かったです)ついに前々からチラチラ出ており、やたら握りつぶされる上条さんの中の人を垣間見、脳幹先生との戦いへ赴くこととなります。

 かまちーがあとがきで言っていましたが上里くんが脳幹先生にトドメを刺したというのも本当に新しいキャラ像だと思います。
 今までの禁書キャラ、特にヒーローなんて言われるキャラは自分の認めた相手はなんだかんだで殺さない奴らが多かったですが上里くんは脳幹先生の生き様を笑顔で「強い」と評した上で叩き潰しまくってます。
 
 善いことをなそうとするキャラですが、取捨選択のしっかりした善いことを行う。
 感情論や理想論で動くのではなく、現実的な新しい人物像ですね。
 
 能力的な性質もあって上里くんは良いキャラとばかり戦うことになってしまうな…





●またしても新たなライバルが増えた上条当麻
 
 新約に入ってからというものかまちーの執拗なメンタルイジメにあっていますが、メンタルの面は新約9巻でかなり吹っ切れてしまったところがあり最近はブレもなく安定して「異常者」呼ばわりされています。
 しかし今回でまさかの僧正を死なせたことを反省し始め、「見捨てられる悪人を作らない」などというさらなる理想のハードルが上がっています。

 ですが逆にスッキリしたような笑顔を見せていますし、傍らには常に「理解者」としてオティヌスが居てくれるというのも本当にありがたいですね。

 上里くんとの討論にも怯むことなく言い返していました。

 上里くんと上条さんの人間関係や存在意義に対する認識は言ってしまえば本人とその相手の問題ですので誰がどう思っていようが自由だと個人的に思っているのであまり問題にはしませんが(問題だったのは上里くんが個人の価値観を上条さんに押し付けようとしたことであり、だからこその争いだったのですが)
 一番上条当麻として問題だったのはバードウェイ姉妹に対する救済措置が結果論になってしまたということです。

 上里くんはパトリシアの意見を尊重し、ベストアンサーではありませんが彼女がある程度報われてレイヴィニアは救われるといった案を採用しています。
  しかし上条さんはそれに対して妥協はせず、みんなが笑顔になれるベストアンサーを求め続ける。といった案を元に行動しています。

 今回はネフテュスのおかげでパトリシアは救われましたが、一歩間違えばパトリシアは死にレイヴィニアの思いも無駄になるという最悪の結末になるところでした。そもそも彼女の自分の意志による行動ですが、ネフテュスは消えてしまうという結果を残しました。

 誰の意見も尊重することなく、自分の意志でハッピーエンドを目指すという上里くん以上の言ってしまえば横暴さを今回改めて見せつけててくれました。

 しかしたとえBADになろうとも上条さんの目指すハッピーエンドは挑戦するだけの価値があり、挑戦しなければ絶対に手に入らないのも事実。そしてBADにならないために何が何でも挑み続けるという人物なので、沢山のヒーロという存在が出て来ていますがやはり禁書の主人公は上条さんなんだろうなとも思いました。

 そしていい加減上条さんの中の人(あべしではない)もそろそろ引きずり出されて来たので楽しみです。喋ったりするのかな〜


 

●今回最高に熱かった木原師弟コンビ

 今巻のMVPをあげたいで賞なこの2人。
 かなり前から出ていましたが今回でイラストが初出となりました。
 はいむらー曰くタイミングを計っていたとのこと。脳幹先生のイラスト本当に楽しみだったのでとても嬉しかったです!モフモフで嬉しい。
 そうしてもともと好きだったのが更に拍車がかかったところでこの仕打ち…!それでもかっこ良かった…ロマンに生きる科学者の生き様を見せてくれました。

 冒頭から心温まる食事風景を見せてくれ、なんでご飯食べてるだけでこんなにダンディな描写されてるんだ!とツッコミも入れさせて頂き今巻は活躍するのかなと思っていたらラストでまさかの展開でした。

 思い返してみればコンビニ店員との会話やアレイスターとの会話など不穏すぎてフラグでしかなかったのですが、脳幹先生に対する安心感が異常すぎて実際に上里くんとのバトルが終わってからもしばらく何が起こったか分からず混乱していました。

 しかし、やはり圧倒的に格好いい。

 もちろん今回パトリシアに「サンプル=ショゴス」(正体は変色した未元物質)を植え込んだ首謀者側ですし許される存在ではないのですが善悪であれば悪で、好悪で言えば好。なんて言い回しはあまりにも狡い。そんなにはっきり言われたら怒れない。

 そしてすべてが計画の上での上里くんとの対峙。アレイスターの作った渾身の駆動鎧を打ち破られても「ようやく調子を取り戻しやがって」と評価し、それでもなお運命に抗って打ち壊すのを望んでいるなんて言った男に対して合理性や効率を捨てただロマンで答えて、野獣のように何度も噛み付いて、そうして血だまりの中に浮かぶこととなりました。

 全てが計画の上として自分の命も組み込める無機質な科学者でありながら、その上で打破するための努力を怠らず最後まであがいてみせようとした熱さを兼ね備えたゴールデンレトリバー。そんな男に「理想送り」が効果を発揮するワケもありませんでした。

 ここでの死亡というか離脱は本当に悲しいし、ロマン科学者なゴールデンレトリバーなんて美味しすぎるキャラな為、もったいなさを隠しきれないのですが前述した通り脳幹先生の安定感が半端なさすぎて全く危機感や変動が無さそうなため仕方がないのか…という思いもあります…実際前巻は僧正にトドメを刺してしまいましたし

 ああでも悲しい!

 さらには唯一ちゃんとの半永久的な別れ。ここの唯一ちゃんの、泣き叫びながらどんなに残酷でもそれでも目的を果たすという「木原」らしい行動も大好きです。そしてそんな唯一ちゃんに喜びすら感じる脳幹先生。

 「ただの木原に留まらない、木原という言葉でも説明の付かない、そんな唯一になれとおっしゃったのだから!」

 この辺りは本当に読んでて涙ぐんだところでした。
かまちーがどれだけキャラの名前を考えて付けてるのかは全く分からないんですが、唯一ちゃんは最初からこのつもりだったのかな?
 
 脳幹先生が圧倒的にその格好良さをふるったため今後そんな脳幹先生を受けて唯一ちゃんやアレイスター、そして上里くんがどう動いて行くのか、楽しみであると同時にかなりハードルを上げたくなって来てしまいます。




●ひとりのこされたにんげんアレイスター=クロウリー

 
 
 かつてここまで読者をハラハラさせたラスボス候補がいるだろうか…?それほどの安定感のなさで巻ごとに安定感が富士山からマリアナ海溝までの幅の広さを見せてくれるアレイスター=クロウリー。

 自分の決めた計画の中で、しかも「世界をよりよくしていくため」なんて理由の為の計画でおそらくたった1人の協力者を失ったアレイスター。全文ひらがな書きという不安になってくる地の文の中で絶叫が迸りました。

 今までアレイスターは計画の為に学園都市の中で沢山の子ども達を実験材料にして来ましたし、一通さんの絶対能力進化実験も指導していますしであまりにも今更な自覚なのですが、ようやく脳幹先生という親しい友人を失って自分の計画の矛盾に苦しむこととなります。

 神さまにつくれなかった世界を作るために友人を犠牲にする。

 そんな矛盾を抱えた彼の作った駆動鎧は上里くんの前に何の意味もなく打ち消されました。改めて考えると本当にアレイスターにとって上里くんは性格も能力も併せて天敵だな…

 その弱点を把握した上で計画に組み込んだくせに、脳幹先生に生き残って欲しいという思いをのせて渾身の駆動鎧を作るし、すまないなんて言ってしまう。そんな彼のあまりにも人間らしい感情は善悪であれば愚かしいほど悪だが、好悪でいえば愚かしいほど好ましい。と評されます。

 そうして矛盾まみれの中で苦悩し続けながらも、もう犠牲はとっくの昔に後戻りを許さないところまで来てしまっています。
 
 なげいて、なきさけんで、うちのめされて、ぜつぼうしても。
 きょうもアレイスター=クロウリーはかみさまのルールとたたかっていくのです。

 というドSな文で締めくくられることとなりました。

 ここまで描写をブレッブレで深く描かれてしまったらもう応援せずにはいられないんですが…今後どうなるんだ…仮に上条さんや一通さんと対峙することとなったとしても「ヤメテーーーー!アレイスターも頑張ってるのーーーー!」とか言い出しかねないです…

 上里くんに対しては対抗して唯一ちゃんがアップを始めていますし、科学魔術入り乱れて勢力図の関係性が面白いことになって来たと思います。

 次に動いて激突するのはどことどこなんでしょうか?


そんなワケで、また次巻への期待を含めて新約14巻アレイスターの明日はどっちだスペシャルの感想となります!
 
 今回はバードウェイ姉妹の激突も、上里くんと上条さんの激突も、答えのでない争いが延々続く話だった為読む際に少し根気がいりましたがそれでもきちんと爽快感を持って来てくれた面白い巻でした。

 それでは、また三ヶ月後になるであろう新刊を楽しみにしながら感想を終わります。

 ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。

 

 

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